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「トッケビ」 寂しくて、きらびやかな神

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鬼『トッケビ』 寂しくて、きらびやかな神  全16話 (2016年〜2017年 tvN)

脚本 キム・ウンスク(「シークレットガーデン」「パリの恋人」「シティホール」「太陽の末裔」「紳士の品格」「相続者」)
演出 イ・ウンボク(「太陽の末裔」「恋愛の発見」「秘密」)

出演者
コン・ユ(キム・シン役)
イ・ドンウク(死神役)
キム・ゴウン(チ・ウンタク役)
ユ・インナ(サニー役)
ユク・ソンジェ(ユ・ドクファ役)
イ・エル(三神ハルメ役)

不滅の命を生きなければならない呪いにかけられたトッケビ「鬼」と若き人間の花嫁との神秘的なロマンス

高麗最強の武将キム・シンだった頃の記憶、トッケビに転生してからの記憶もすべて持ったまま900年以上もの時を生き続けるトッケビ「鬼」自分の死だけを願いながら彷徨い続ける孤高の鬼、トッケビ

記憶を失い、名前もない不運の男として生きる死神は、この世で離れがたい女に出会う
この鬼と死神がどういうわけか奇妙な同居生活を始める。
「トッケビの花嫁」にだけ見えるという、キム・シンの胸に刺さっている呪いの象徴の剣
不滅の命を終わらせる方法はただ一つ。剣を引き抜いてくれるただ一人の存在「トッケビの花嫁」を探し続けることだけ。
その「トッケビの花嫁」は、キム・シンが生き返らせた女性の娘でした。
何も知らない娘ウンタクは、トッケビを「おじさん」と親しさを込めて呼ぶ。
この世で母親以外で初めて自分を気にかけてくれるキム・シンに出会い、感謝の喜びと愛を感じるウンタク。
ウンタクもキム・シンと死神と同居することになる。
トッケビの呪いを解ける「トッケビの花嫁」がウンタクだと知った時、キム・シンは追い詰められてしまう。
ウンタクの屈託のない天真爛漫な笑顔を見続けたいと祈るキム・シン。
ウンタクが自分を呼ぶ声を、聞くために生きたいと思うキム・シン。

その気持ちは初恋でした。

この物語の成り立ちがわかる8話までの流れです。

初めて恋をした女性が自分の命を終わらせる花嫁だなんて、なんて悲しい物語。

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オープニングでは、紅葉の美しいカナダのケベック州の美しさに引き込まれてしまいました。
さすが、イ・ウンボクワールードです。「太陽の末裔」はギリシャでしたが、色調を抑え、この物語に重厚さを醸し出しています。

脚本家のキム・ウンスクさんはずっとコン・ユにラブコールを送っていた話は有名です。やっとの登場です。「コーヒープリンス1号店」のコン・ユは素敵でした。今でも時々好きな場面を見てしまいます。「乾パン先生とこんぺいとう」も彼のいたずらっ子なキュートなキャラが満載で面白かった。「コーヒープリンス」から10年経過しているのに、なんかあまり変わらない風貌ですね。映画の方ばかり出演されていたので、寂しかったですが、やっとお会いできました。

人間は4回生まれ変わる。

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「トッケビ」では劇中、トッケビ キム・シン(コンユ)がトッケビの花嫁(キム・ゴウン)と前世現生来世に渡って運命的な愛を繰り広げました。暗示と伏線も与えながら、起承転結がはっきりと感じられる。

わびしく燦爛~華やかで美しい~ってタイトルは、すごい。

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このトッケビは、コン・ユさんに演じてもらうために書かれた脚本としか思えない。
コン・ユさんは、とてもナイーブな俳優さんで自分を前面に出して演技の勝負をかけるような俳優さんではないような気がしています。いつも一歩引いて見守るような眼差しのトッケビ、あの広い肩と胸は、人を包み込むような優しさを感じるトッケビと一体化する気がする。
少年のようなおどけたようなコン・ユの風貌は、「死」と向き合う「トッケビ」の物語の中で、安らぎを与える。
時間を静かに感ずる孤高の鬼、滅びゆく者たちの運命を見守り続けてきた「トッケビ」キム・シンの振る舞いは鬼というよりも神格化された「神」のような存在です。そんな役にピッタリなコン・ユさんです。

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寂しくて煌びやかな神〜トッケビにピッタリです。

でもでも、1話から、なんか度肝を抜かれました。時空を超えたロマンスだとは思っていましたが、なんか違います。スケールが大きな物語で、ラブロマンスドラマというよりもっとシリアスで文学的な作品なんです。

韓国ドラマの定番、財閥と貧しい女性のラブロマンスではなく、財閥も超越した超能力と財力の持ち主の「鬼」と「幽霊・神」が見える人間の女性の物語です。
文学的なセリフや、説明が多いけれど、なんかそれが叙情的で、センチメンタルな気分に追い込まれる。そして目の前には、スペクタルな壮大な映像美に吸い込まれてしまう….そんなドラマ。

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韓国の民話「鬼」を素材にキム・ウンスク作家が構想を重ねたこのドラマ、韓国ファンタジードラマの新たな幕開けと書かれてありましたが、時空を超えてますが、ただ昔と今を行ったり来たりするタイプとリップドラマの構成ではない。
テーマが時空を超えないと表現できない世界だったということです。
「どこでもドア」ではないですが、目を開けたら映画館で、美しい壮大なスケールの充分な費用をかけた映画を見に行くことができたドラマです。テレビからはみ出してしまうような感じでしたね。

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「無」になりたいトッケビ、「無」になることは、トッケビの「死」です。そのトッケビが恋をして、「生」への執着が生まれる。しかし、その恋の相手は、トッケビの剣を抜かないと、生きていられないことがわかる。

キム・シンの消滅か、鬼の花嫁ウンタクの死かという二者択一を。

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このテーマは崩れません。だからちょっとくどくどしい説明、ストーリー展開になってしまっています。
二人の行く先に「死」が立ち込めていることを暗示と伏線を与えながら視聴者を納得させながら引っ張っていきます。
コメディータッチの場面、ユーモアとウィットに富んだ会話、キム・ウンスク作家のパワーの爆発というドラマです。
トッケビが本を読む姿…..暗示と伏線を感じます。文学的なセンス?何万年も孤独の中で何万冊の本を読んできたのか?

トッケビのプロローグは、昔の言葉ですよね〜

でも物語は、永遠不滅の「神」奇跡を起こす「神」と人間との悲しい「初恋」を通して描きたかったこと、トッケビの「千年も万年も続く悲しい愛」超えて描きたかったのは。。。「生き方」です。

「神はただ問うだけ」
運命は私が投げた質問だ
答えはお前たちが見つけなさい

けっきょく、人生に及ぼす決定的な瞬間は
自分の意志によるもので、神の意志ではないってこと
そして、それは、人間だけができる選択だということ
この答えは人さまざま。 その答え、その人の行動に生き方は現れるということです。

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この「千年も万年も続く悲しい燦爛の愛」を16話の物語で完結させたわけですが、8話から12話まで、なんか剣を抜くべきか、抜かざるべきかという二者択一ばかりだし、12話からパク・チュンホン登場でなんかホラー化してくるし、ちょっと視聴意欲をなくしましたが、最後の13話以降の怒涛の展開、そして最終章も素敵なエンディングでした。最終章にこんな素敵なドラマがあるなんてやっぱりすごい脚本家、作家さんだと感心感謝いたしました。

8話までは、この物語を理解するのに必要なキーワードが次から次へと提示されます。

「なんで」「どうして」トッケビは、不老不死で生き続けなければいけない呪いを受けたのか?
「生まれ変わり」「前世」
「死神って?」「死神はどうして記憶がないのか」「死神が恋したサニーは前世は?」
「神とは?」
「守護神とは?」
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「産神とは・三神ハルモニとは?」

キム・シンが4話で、ウンタクへの気持ちに気が付いた時、4話が見逃せない。

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愛の物理学
質量の大きさと嵩は比例しない
小さなスミレのようなあの少女が
花びらのようにひらひら動くあの少女が
地球よりも大きな質量で僕を引き寄せる
その瞬間、僕は
ニュートンの林檎のように
容赦なくあの子へと引き寄せられた
ドスンと音を立てて
ドスンと音を立てて
心臓が天から地まで
気の遠くなるような鼓動を続けた
初恋だった

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ろうそく(キャンドル)の炎

ウンタクがろうそくを灯すたびに、まるでマッチ売りの少女のようにささやかな夢を持ちながらキム・シンを恋うる姿が愛おしい。ろうそくの炎を吹き消すと、キム・シンはどこにでも瞬時に時間移動させられてしまう。ウンタクの手中にいることを喜ぶキム・シンが哀れです。ろうそくの炎を消すウンタクが「鬼の花嫁」であり、呪いの剣を抜き去りキム・シンを「無」に返すことができる唯一の人間だなんて虚しすぎる設定です。

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死神とトッケビの関係、この彼らがこの物語をただの時空を超えたドラマに終わらせなかった。

「無」になりたいトッケビ、名前もなく記憶もなく今を生きていないような死神の彼らが、運命の女に出会う。
彼らは、どんどん「生」を意識して変わっていくのですが、その彼らは変わりゆく自分自身に戸惑う姿が可愛くもあり、悲しい。
お互いの「愛」を時には助け、時にはその思うようにいかない「愛」の痛みを共有しながら、淡々と振る舞う男の関係。ブロマンスというそうですが。韓国ドラマは、二番手君の存在、ヒーローの男友達がどれだけ物語に貢献するかで面白さが変わってくる。

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死神の前世が、トッケビを死に至らせた王ワン・ユであることがわかっても、その関係は続きました。

サニーの前世が、トッケビの妹であり、王ワン・ユの奥方であったこともわかります。
死神が、王であった時に、サニーを殺させてしまったことを悔やんで自殺したために死神になった。
あの肖像画は死神が描いたものでした。

死神のサニーへの想いも切ない。
サニーの名前を呼ばないのは「死」との関係があるのかな?

サニーのあの明るさと強さがこのドラマに力強さを醸し出したのかもしれません。

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でも死神のイ・ドンウクさん、大変な役だと思っています。トッケビは、やはり光、死神は暗闇。
勝手な想像ですが、コン・ユさんとは役者としての性格が反対ではないかと。

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あのドクファ、代々キム・シンに仕えてきたユ家の執事だけれども、初代があんなに忠誠を尽くしてきたのに現代的というか合理主義者です。
彼も産神と初回から接点があり、「何者か」と期待をもたせましたが、「神」が乗り移られた時だけ、「何者」でした。

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象徴的なシーンは、神が降臨するとき、消えていくときに「蝶」が舞います。ドクファに降臨したときもトッケビに降臨したときも蝶が舞っていました。

産神・三神・ハルモニさん
やはり、韓国の方でないとわからない設定ではないのか?
「神」であるということはよくわかります。冷静に見つめる「神」
時には、ハルモニになる神。
時には、産神になる神。
邪悪な神と戦う神、でした。

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最後にキム・ガウンさん。

「トッケビ」は「あしながおじさん」です。初めて庇護してくれる人に出会った少女の感謝と喜びが伝わってきます。そんな演技がすごく自然で素敵でした。キム・シンが赤いマフラーを巻いてくれたときのウンタクの笑顔、あんな笑顔を演じられる女優さんてすごいです。「チーズ・イン・ザ・トラップ」で、初めて拝見しましたが、ハッとしました。女優さんがやられてるのではなくて、その役になりきっているという感じがしたからです。確かに美人系ではないですが、表情がとても素敵な方です。ボトックスで固めているような表情の女優さん多いですよねー。そんな中ではとにかく斬新な表情演技のできる女優さんです。

この物語の中で彼女の笑顔とトッケビの切ない表情の眼差しで進行していったような気がしています。

「神は問うだけ」

「不老不死」の呪いをかけられた鬼「トッケビ」の「無」に帰するための何万年もの生き様を、「鬼の花嫁」という人間を登場させて描くというテーマをここまでキム・ウンスクさんはファンタジーに仕上げたのはやはりすごいのでしょう。

コン・ユさんの素敵な表情を拝見できて幸せなドラマでした。

コン・ユさんでなかったらこのドラマリタイアしたかもしれません….(笑)

OSTについても、ちょっと。感情をこれでもかと高ぶらせるような、煽るような曲ではなく、さらりとしていて奥深く染み入るような曲の数々でした。
テーマが悠久な歴史世界でしたが、曲は現世みたいなところが良かったでした。

間接広告が多すぎて残念ということですが。。。
でも日本のようなコマーシャルでなくて、協賛という感じで、物語の中で宣伝される韓国ドラマの世界がガッツリとみられたドラマでした。
途切れる日本のドラマより、いいかなとは思いますが、きっと韓国の方々は、胡散臭くも感じるから、その分、ドラマに集中できなくなるのかな。

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大好きなキム・ウンスクさんの作品なのに、あらすじは気になりましたが、気持ちがついていかなかった。
ただ、スペクタルなドラマだという感想だけです。そして「生き方」をこんなドラマで伝えることができるすごい作家なんだという感想です。
素材としての俳優さんも吟味して、なんかミシュラン5つ星って感じのドラマ。
「太陽の末裔」のユジンさんのようにパーフェクトな軍人、パーフェクトな「鬼」

なんか、優しい単純なドラマが見たくなり、「イタズラなKISS」見ちゃっています。
なんかな〜

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