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ミスターサンシャイン 心の 闇に一筋の光が……

ミスターサンシャイン Mr.Sunshine 全24話 (2018年 tvN)☆☆☆☆☆

Netflixで視聴しました。
時代背景の解釈に残念な気落ちです。でも…..
心のにある深い闇にさした一筋の光に命を捧げた3人の男のドラマとして。
その光は、自分の信ずる明日に向かって、それが朝鮮の新しい光になると思って駆け抜けた女性のドラマとして。

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壮大な抒情詩のような物語で、胸も熱くなるシーンも多くありましたが、なんか心の中で、頭の中でひっかるシーンもあり、スッキリしていない感じでこの感想を書いています。

脚本:キム・ウンスク
◉ 演出:イ・ウンボク
◉ キャスト:
チェ・ユジン/ユジン・チョイ=イ・ビョンホン
コ・エシン=キム・テリ
ク・ドンメ=ユ・ヨンソク
キム・ヒソン=ピョン・ヨハン
工藤陽花(イ・ヤンファ)=キム・ミンジュ

大好きな「パリの恋人」「シティー・ホール」「相続者」「シークレット・ガーデン」の脚本家の作品です。「トッケビ」はどうしてもあのファンタジーな世界に浸ることはできなかった。永遠の愛を求めて900年も生き続けた結果が、永遠の愛なんて幻とも言えるようなラストに寂しさが。映像美に酔いしれただけでした。
「パリの恋人」の最終章がハッピーエンディングなのかサッドエンディングなのかと話題に昔なりましたが、あの終わり方に違和感はなかった。だって夢物語なんだからハッピーでもサッドでも見る人が想像すればいいから。

この「ミスターサンシャイン」も流れの構図が似ています。かっこいいキリッとした軍服姿の男が最後は普通の服を着る男に….「パリの恋人」では、財閥の御曹司の社長の男が最後はパリの街角で自転車を漕ぎ、パンをほうばる普通の男に….変化させたのはその男が愛した女性でした。
ただこのドラマは、はっきりと最終章を締めくくりました。悲しみの最終章に……

tvNの「ミスターサンシャイン」の冒頭に

歴史には記録されてはいないが、記録しなければならない無名の義兵たち。奴婢として、白丁として、朝鮮時代の女として、賎民として生きている彼らの唯一望みは、朝鮮の独立。その抗日戦闘史だと書かれてありますね。

そんな朝鮮が崩壊されていく中で、こんなにも神々しく逞しく、華やかである女性、朝鮮の精神的支柱である名門のお嬢様であり最後の血統であるエシンの生き様を描いたドラマ。と書かれていありました。
史実に基づいたフィクションと書かれてありますが、このような注釈もひっかりますが….

歴史的背景

辛未洋擾(1866年、朝鮮の奇襲攻撃によって米国国旗を掲げた商船が沈没し、船員20名全員が虐殺された。)から始まります。この事件への李氏朝鮮の対応の愚かさの歴史がドラマの背景にあります。李氏朝鮮王朝の慢心さによって引き起こされたとも言えますが、時代は世界が戦国時代に入っていたのです。その中で起きた朝鮮での義兵闘争が主軸になっています。朝鮮独立闘争と捉えるか、反日・抗日闘争と捉えるかでこのドラマの見え方も変わってくるような気がします。

このドラマ、日本人が見て不愉快になるというより、韓国国内の一部の浅はかな方達がそう思わせようとしているように感じます。侵略者は米国だろうがロシアだろうが日本だろうが中国だろうが、侵略者としての愚かな行為をするものです。過去の歴史を見ればわかることです。
日本人だけが悪いのではない。

私が知っている歴史での義兵とは、儒教生であり、朱子学を学べる階級の人間で、国を思うために闘争する兵士ということでしたが、このドラマでは民衆も義兵になっています。闘争の主体はやはりエシンのような人たちで、それを信奉する民衆が集まって形成されていたようです。
このドラマの義兵闘争、散発的なゲリラ戦みたいでした。「エシンの夢見る朝鮮」、近代的な改革思想を持って戦うには、あまりにも貧弱な装備でした。ユジンが、李朝鮮の武官になって兵士を育成するのですが、その脆弱さを見ると、この国は、当時は近代的な軍隊組織がなかった。違った味方をすると近代化には程遠い国であったということです。ユジンは何度となく「朝鮮は崩壊する」とエシンに言いますが、その言葉には耳を貸さないエシン。

「エシンの夢見る新しい朝鮮」「信じている明日は」はなんなのか?
こんな脆弱な国を守るために、何人もの人生を犠牲にしてもいくのか?
「前を向いて歩け」と言われて、人を踏み倒し殺して生きていくのが強さか?
まさに戦国激動時代の物語なんです。

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日本人の描写が極悪非道に描かれていると言われてました。確かに極悪非道というよりお馬鹿でネチネチとした人間として描かれていました。朝鮮人だけど親日家として売国奴として登場したイ・ワンイク=キム・ウィソンさんが強烈でした。日本語も上手でびっくりでした。でも腸が煮えくり返る非道さと傲慢さでした。
伊藤博文さんも登場したけれど、ちょっとね〜…..この方も馬鹿で軽薄に描かれていた。
日本人として登場した方々は、すべて強欲さ丸出しに、日本兵士は、日本では威張れないからこの国に来て馬鹿丸出しに威張りまくっているように…描かれていました。アメリカ人だけはグローバルな人間として….
反日感情を煽るというより、「キム・ウンソク脚本家」はこのように感じているのか…..という感想。
どの国でも階級の低い兵士ってあんな感じでしょう?何もわからず、何も理解しないで戦わなくてはならないから、自分より弱いに人間には非道になる。人間の弱さ……
このドラマの大きな欠点は、こういう人間達への浅はかな考察でしょう。

あらすじに……

朝鮮で奴婢として生まれた米国海兵隊軍人ユジン・チョイ(イ・ビョンホン)は9歳の時、父親を主人のキム判書(キム・ヒソンの祖父)に殺された。ユジンの母は、息子を逃げさせるために身を呈して守り自殺する。やっとのおもいで逃げ出したが、推奴に追われる身になってしまう。逃げる中、陶器職人の家に隠れるが、そこに現れた宣教師に陶器職人はこの子を連れて逃げてくれと頼む。そうしてユジンはアメリカの地を踏み、新たな試練の始まりとなる。
コ・エシン、両班の娘、韓国最高の支配構造のエリートの家柄の女性として育つ。両親は義兵として活動していた。その両親はあのイ・ワンイクに殺された。両親を亡くし、祖父の家で成長したエシンも朝鮮の将来を憂い、義兵として動き始め、ユジンに出会う。そのエシンを取り巻く群像劇。


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コ・エシン

彼女をどう理解するかでこのドラマに嵌まれるかが決まるような気がする。
気高く美しい朝鮮の名家のお嬢様が、新しい朝鮮の未来に向かって突き進む姿に。
その姿は、華麗で、ぴたっとしたスーツを身にまといながら迷いなく鉄砲で人を射抜く無謀さに。
ユジンにもヒソンにもドンメにも物怖じせずに真正面から立ち向かう、恐れを知らない無垢さに。

3人の男は、その「未来を信ずる、明日を信ずるエシンの強さ」にひれ伏した。

エシンの生き方は、「王女の男」でのセリョンの強い生き方と似ている気がする。結婚相手の選択の自由を貫いた女性だったから。それは家門からの束縛、階級制度への反抗と脱却だったから。セリョンの生き方は男への愛を貫き守りぬいた強さでしたが。

エシンはユジンから「LOVEをしよう」と言われてその意味さえもわからない純粋無垢な28歳の女性でした。そのラブの意味を知った時のエシンの表情は可愛かった。もうその時はユジンに心を奪われていたから。
10話、ユジンから奴婢だったことを知らせるエシン。その固まった表情から、彼女の世界は一瞬にして飛んだ。
朝鮮の新しい未来のために戦っているエシン。それは誰のための新しい朝鮮なのか?

「井の中の蛙、大海を知らず」エシンはそんな自分に気がつき始めたのです。
そしてそんなエシンをユジンはしっかりと受け止めていいた。

エシンは、二人並んで肩を並べて生きていける男とユジンを思っていたのに、その男が奴婢だった。

義兵としての男勝りの行動力、判断力と強さを見せてくれましたが、ユジンとの「愛」はおままごとのようでした。だからユジンとの年齢差に問題を感じなかった。ユジンは人間として強い男でした。そんな男が「ピクニックしたように感じたエシンとの愛」という表現はなんかすんなり入ってくるのです。
エシンは、義兵としての生き方と、結婚しないという人生を選択したわけですが、これが女性の自立なんでしょうか?
この流れを延々と24話見てきて、最終章はユジンが男が可哀想になりました。

キム・ウンスクさんの描くサッドエンディングは愛に殉ずる男と愛に依存しない女を描くことかと思ったりしました。


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工藤陽花

彼女の生き方の方が好きだった。男に媚びない女。
彼女の父イ・ワンイクは、貧しい家の息子だったが頭が良かった。その頭の良さをずる賢く使って生き抜き、米国提督の通訳官にまでになる。娘、陽花を日本人の老人に嫁がせ、その老人の死後の莫大なお金であのホテル「グローリー」を朝鮮で開業することができた。そんな彼女は父にこれ以上利用されないように、自立することに懸命に生き抜いてきた。ホテル「グローリー」は、朝鮮の権力を握っている男たちの遊興の場として繁栄し、彼女はそんな男たちの会話からいろいろな情報を知ることができた。

そんな彼女は、エシンと同じように男に支配されない新しい朝鮮の独立を望んでいた。
そんな陽花、とてもエレガントで素敵でした。彼女の洗練されたドレス姿、絵になります。
ホテルの支配人、経営者としての彼女は常に冷静で公平でした。でも機敏に悪い出来事を察知する能力にも長けていました。
彼女が心を許した唯一の人間….ク・ドンメ
彼の心がエシンにあることを知りつつも、彼を受け入れていた。
父親に利用され、捨てられ、日本でも男に苦労したであろう彼女は、身を以て女性の自立を確立した。エシンとは正反対の立ち位置にいる女。
でも二人は新しい朝鮮のために、最後は協力し合います。
足が地に着いた女。自立した女。そしてファム・ファタールのように男を操る女。

10話で陽花が3人の男をこのように比喩した。
ユジンは馬鹿で、ドンメは間抜け、ヒソンは意気地なし。的確です。

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そんなドンメに最後は「ヤンファ」と呼ばれて息を息を引き取った陽花。
朝鮮の新しい夜明けのために命をかけるエシン達を、影で助けながらも冷めている彼女。
人生を諦め達観しているような生き方をしている彼女の奥に秘めた感情はドンメに向いていたのに。
韓ドラでは傘を差し出した方が、愛を強く感じているとよく言われる。
陽花から傘をさしてもらったのに….
本当に間抜けなドンメ。


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ユジン・チョイ

最初に登場された時、やはりイ・ビョンホンさんの年齢は隠せないと思った。でもこの役は彼にしかできなかったかもしれない。とても複雑な人生を生きてきたユジンだから。

ユジンは、両親を殺された奴婢の子。生き残るために這いずり回った男。米国の軍人になり米国籍を得たとしても彼の生まれは変わらない。
祖国は彼にとってどの地なのか、わからない人生を歩んでいる男。

米国軍人ユジンとして見た朝鮮は、両班が朝鮮の開化をするという仮面を被って先を争っている愚かな国だという認識しかなかったはずです。
それが朝鮮にきて自分の運命が変わるとは思っていなかった、

新しい朝鮮の明日を信じている女性、エシンに出会うまでは….

その女を守るために自らを射抜くユジン。
奴婢だとした揺らぐエシンからの言葉に、
あなたは前に進み、私は後ろに下がるというユジン。

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「この世には違いが存在する。
力の違い、意見の違い…..身分の違い。
それはあなたのせいでも、私のせいでもない。
そんな世界で私たちは出会っただけ。
必ず生き残れ。
ずっと生き残ってあなたの朝鮮を守れ。」

冷静にエシンに話すユジンに涙です。

そして彼はそんなエシンが生き残る戦いのための支えとなる道を選ぶのです。
ここでもうこのドラマのエンディングはどうなるかわかります。
無防備に戦うエシン達の義兵、戦うプロセスを知っているユジンには先が見えてたはずです。

クールな表情でいながら、心の中は繊細で温かな感情を持っている男。
どんな時にも冷静沈着に行動する男。
エシンに会いたい気持ちを素直に表現する可愛い男。

「これは私の人生でラブストーリーだ」
ユジンのこの言葉、我々のラブストーリーではなくてユジンがエシンに捧げるラブなんだと痛感しました。

最後のシーン、身を呈して日本軍の銃弾からエシンを守るユジン。その顔は微笑んでいました。

ユジンが流れる着いた米国で、聞いた音色、オルゴールの曲、Greensleeves
youtubeで検索してこの曲のテンポがぴったりでした。

エシンとユジンがこの曲を聞いている時だけは二人の世界がありました。

ああ愛する人よ、残酷な人
あなたはつれなくて私を捨てた
私は心からあなたを慕い
そばにいるだけで幸せでした
.
.
離れた場所にいる今でさえも
私の心はあなたの虜だ

簡略で歌詞を….このドラマってすごいと思わせる。


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ク・ドンメ

白丁。ユジンと同じように階層の低い身分。
彼は日本に行き、生き抜くためにヤクザになって戻ってきた男。

白丁という賎民というのはよくわからない。でも朝鮮は奴婢、白丁など賎民などの貧しい人間以下の扱いを受ける人がたくさんいたということには驚く。

ドンメが朝鮮に戻ってきたわけは、ただ一人自分を助けてくれて、唯一自分を正面から見つめてくれた女性エシンに会うためです。そのエシンに心の中ではありがたいと思ったのでしょうが、反対の言葉で傷つけしてしまっていた。人助けをしたエシンの気持ちがわからない獣ようなドンメなんですね。
彼は常に飢えた子供のようで、決して人を信じない男。

そんなドンメが、エシンが義兵であることを知った時に、とった行動。彼女の脚を射抜き負傷させる。でもそのわけはもうこれ以上危ないことはしてほしくないという手荒な行動でした。ドンメもエシンは生き延びて欲しかったのです。彼は常に真逆の行動に出てしまうアマノジャクなんでしょうね。
でも素直さがないと女性には理解してもらえない。エシンはずっと怖がっていたと思います。
でもそれを理解していたのは唯一工藤陽花。

非常にナイーブですが、非常に短気なドンメ、そして自暴自棄な彼。

ドンメの死にかたもなんかなぜ?という感じで、無残な死に方で驚きました。


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キム・ヒソン

資産家の両班の息子。放蕩息子の仮面をかぶってしかいきられない男。
彼はこの3人の男の中で一番、朝鮮を見極めていた。
彼の家を支えていたのは、底辺で働く民の血や涙や苦しみや恨みであることを。
それを踏みにじってきた祖父や、延々と続く彼の家族だということを。
彼が放蕩三昧したのは、朝鮮一の土地持ちであり、金持ちであると認識している先祖代々への贖罪のような気がする。

そんな彼もエシンが夢見る新しい朝鮮を実現させたいと思うようになる。彼は自分の生きる道を彼女の中に見つけてしまったんだろうな。
エシンに会うといつも拒絶の言葉しか聞けないヒソン。
彼もこの国の犠牲者ですよね。

最後はどうしてこんな形で死ななくてはならないの….という悲惨な死に方で彼女に命を捧げました。
でも彼はそれであの忘れ去りたい家の呪いから解き放されたのだろう。

仲が良いのか悪いのかわからない3人の男のブロマンスが、このドラマで唯一心がホッとするシーンでした。
それぞれが勝手なことを思って言っている。でも3人の男が見ている光は、エシン。

いい年をした男3人が、世間知らずの両班の娘の夢見る明日の光にうろたえている姿が、子供のように可愛い。
男って素直になった時は可愛い。その素直さはエシンの夢を一緒に追おうとしている姿。その夢を叶わせるにはどんないばらな道が続くのか、よくわかっている3人のいい年をした男たち。

この3人がいなければ、このドラマ息がつまるくらいに切ないドラマでした。
ユジンとエシンのラブだけだったら。

愛したものに殉じた男のドラマ。

24話見続けて、初めからエシンの笑顔以外は、緊迫感の漂うシーンばかりでした。
時代背景からして容易にわかることですが、花火のように生きたいと願うエシンと暗闇の世界にいる男たちの壮絶な生き様のドラマでした。

ドラマを視聴している時の緊迫感から少し経った今、無常さばかり感じています。

今の韓国ってあの当時と変わらないのでは?
本当の独立した政治国家の体をなしていないと思うから。
国民感情の正義ばかり、信義を大事にする国にならないと世界で生き残れないのに。

 

 

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