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サバイバー60日間の大統領 見応えのある政治ドラマ✨

サバイバー60日間の大統領 全16話 Designated Survivor:60Days(2019年 tvN) ☆☆☆☆☆

アメリカのドラマ「サバイバー宿命の大統領」のリメイクしたドラマだそうですが、視聴していて、アメリカ版は見てないので比べようもないですが、この作品がリメイクならば、こんなにカルチャライズされた作品にした制作陣はすごい。

ものすごい迫力で、現在の韓国の状況、課題など、日本との関係、日米韓の問題点、考えなくてはいけないテーマが、このドラマには出てくるからです。
それもわかりやすく、タイムリーで、どこからどこまでが現実で、どこからがフィクションなのかと視聴している側が戸惑ってしまうくらいリアリティーのある政治ドラマでした。
チ・ジニ演じるパク・ムジン大統領権限代行の人間的素晴らしさは、文句なしで、 その代行を補佐する青瓦台職員たちを演じるベテランから若手さんまでの俳優陣の演技力のバランスがすごく良くて、空気感も最高で、クオリティーの高さを感じる作品です。

完璧なキャスティングです!!!
だから、ドラマに目が釘付けになってしまう。すごい政治ドラマです。
一言で言うとこんなドキドキしながら視聴し、見た後はスッキリする政治ドラマってあるの??

サバイバー60日間の大統領あらすじ

環境省長官のパク・ムジンは政治とは無縁の化学者で大学教授でした。大統領のヤン・ジンマンから環境相に抜擢され、環境問題に取り組んでいましたが、PM2.5などでアメリカとの協議で、問題を起こし、アメリかの顔色を伺う大統領から解任されてしまいます。

その後、家族と共に車に乗っていたムジンは異様な光景を目にします。大統領施政演説が行われていた国会議事堂がテロによって爆破されたのです。
大統領をはじめ、国会議員が多数犠牲になってしまいました。
ムジンは、危機一髪で命をとりとめたのです。その結果、承継序列12位の環境省長官の彼が、大統領権限代行に指名されたのです。その期限は60日でした。
このテロは北朝鮮の陰謀なのか?どうなのか?この一触触発の危機に国民を守り、家族を守ろうと奮闘するパク・ムジン大統領の60日間を追った政治ドラマです。

キャスト一覧

脚本:キム・テヒ 「トキメキ☆成均館スキャンダル」  「ビューティフル・マインド」
演出:ユ・ジョンソン 「未来の選択」「天命」

チ・ジニ=パク・ムジン   韓国化学技術院の教授・環境省長官・大統領権限代行

主人公パク・ムジンを熱演されたチ・ジニさん。彼の出演作はほとんど視聴しています。とっても優しい眼差し、声が大好きなんです。「結婚できない男」は阿部寛さんよりずっとチ・ジニさんの方がインパクトがあった。なんか男のプライドと弱さが垣間見られる演技でなんか愛されるキャラでしたから。かと思えば「トンイ」のような王様も素敵だし、本当に演技力のある素敵な中年になられていますね。今回の大統領権限代行も、アクの強い政治家や軍人たちの中で、普通の男が「愛する人達が生活する国を守るという」強い意志だけで、果敢に誠実に、その人の立場に立って考えるという姿勢を崩さないで最後まで頑張った大統領権限代行の姿に感銘を受けました。

ホ・ジュノ=ハン・ジュンス  大統領秘書室長

あの怖いしわくちゃお顔のホ・ジュノさん演ずる秘書室長はムジンの能力を発揮させるように見事な采配を見せます。ビューティフル・マインドでも怖い父親役でしたが、貫禄のある演技でした。でもこの方が……なんですよ。
彼のおかげで、ムジンは、代行としてスタッフの信頼と協力を得られなければ、最高指揮者としての働けないし、国も国民も守れないと気がつくのです。
彼はこのドラマでは、ムジンとの意見の衝突で一旦は辞任します。が、ムジンは彼の政治的手腕は評価していたし、心の葛藤、そして代行としての重さに耐えるためには彼が必要だったので復帰します。渋い中年男の演技力が光るシーンがたくさんありました。ムジンと対話するシーンは緊張感あふれていましたし、男の生き様を感じさせました。

イ・ジニョク=オ・ヨンソク  無所属の国会議員

イ・ジニョクさん、なんか痩せられたような感じが。「君も人間か」の時の秘書役の時よりも線が細くなっている。ナルシストのような雰囲気漂っていて、海軍の出身の強い男だという設定はあんまり感じなかった。最初から怪しい感じでしたが、なんかあっけなく殺されてしまった感じです。もっとこのドラマの中で重要なのかとも思ったのですが。登場した時の素敵な軍服姿からも。若さとパワーの象徴として存在だったのか?

ソン・ソック=チャ・ヨンジン 秘書室長

今回の若手でかっこよかったし始めて拝見したソン・ソックさん。男のフェロモンをムンムンと感じました。あの髪型もなんか可愛かったし、とっても気になる男優さんになりそうです。ずっとあの怖い秘書室長から絞られて育ってきた若手のホープ秘書官という役柄を完璧にこなされて凄い。怒りが爆発するシーンが多かったですが、そのお怒りの表情がまたまた素敵でした。政治的戦略ばかり考えてムジンに突っ込んでいますが、実は熱い信念があってのこと。一番は、ムジンを人間として大好きなんですよね。でも代行としてはこうしてもらいたい気持ちが強く伝わってきました。

イ・ムセン=ギム・ナムウク  大統領府報道官

笑えるシーンはこの人でした。イ・ムセンさん、かっこ良かったです。ソン・ソックさんとのユーモア溢れるシーンも素敵でした。なんかボソーと立っているのですが、抑えるところはピタッと抑えて報道している姿、素敵なスーツを着るとこんな役もお似合いでした。怖い役柄を前に見たような気がしています。

キム・ギュリ=チェ・ガンヨン  ムジンの妻・人権弁護士

キム・ギュリさん演ずるムジンの妻はできた方でした。研究者の時代に彼女がシングルマザーの時に知り合って結婚したのですが、その二人の関係ですら、マスコミには間違って報道され、ムジンはその間違いを訂正しなかった。息子には罪はなく、息子は私の子だと。こんなできた男はいるのでしょうか?こんな男に愛される女性はやっぱりいい女なのです。

チェ・ユニョン=チョン・スジョン 前環境相秘書官・大統領秘書官

チェ・ユニョンさん、最初見ていてどこかで拝見したよう….あの「いとしのソヨン」でパク・ヘジンさん一途の令嬢をやられた女優さんでした。今回は秘書室長役、ちょっと不器用さも感ずるところもありましたが、ムジンが信頼する秘書らしさがあってよかったのではないでしょうか。パーフェクトな秘書役なんてちょっと無理なイメージだし、そんな人間味のない秘書だったら、ムジンは側に置かないかもしれないから。

キム・ガプス=ヤン・ジンマン 元大統領

キム・ガプスさんは、政治家の役柄が多いですね。今見ている「補佐官」もそうです。

ゴン・ジョンファン 大統領警護署実行部長

ゴン・ジョンファンさん、ぴったりの役柄でした。

あともう一人、「アルハンブラ宮殿」のパク・フンさんが殉死する軍人役で出演されていましたね。

イ・ドヨブ=アン・セヨン 大統領官邸民政首席秘書官
ペク・ヒョンジュ 大統領官邸国政記録秘書官
パク・グンロク 大統領官邸儀典秘書
パク・チョンソン=ゴ・ヨウンモク 大統領官邸国家安全保障室長

国家情報院
キム・ジュホン=ジョン・ハンモ 国家情報院テロチーム

カン・ハンナ=ハン・ナギョン 国家情報院対テロチーム分析官

カン・ハンナさん、初めて拝見した女優さんです。タフで頭の切れる捜査官がピタッとはまっていました。

チョン・ソンウ=ソ・ジウォン  国家情報院テロチームサイバーエージェント
イ・ハユル=キム・ジュノ ナギョンの婚約者 国家情報院テロチーム
ギム・ジングン  国家情報院次長テロ専門

ペ・ジョンオク=ユン・チャンギョン 先進共和党代表
アン・ネサン=カン・サング 民主正義党
チェ・ジェソン=イ・グァンムク 合同参謀議長
イ・ギヨン=ウ・ニチョン  陸軍参謀総長
チェ・ジンホ=ギム・ダン TBN局報道局長
オ・ヘウォン=ゴ・シニョン TBN局報道局記者

このドラマ、大統領という国家権力のトップに立つ人に求めたい願望が、チ・ジニさんの俳優としてのイメージとすごくマッチしたことも、評判がよかった理由のような気がします。現実感のある政治ドラマであっても、人間模様に感動を感じてしまいました。

本当に凄い俳優さんばかりだから、スリリングな展開と人間の感情がバランスよく入り混じった作品になったのですね。ソン・ソックさんとイ・ムセンさんの若さがホッとするドラマ。平均年齢高い俳優陣のドラマです。

最後に全体的な感想

このドラマは、政治のあり方について間接的に、そのエピソードを通してわかりやすく語りかけてきます。
今の韓国の情勢の情勢をうまく取り入れているので、政治を理解しやすくしているし、興味を抱かさせるテクニックは凄いですよね。隣国の韓ドラファンが唸るのですから。

でも、全てネットでの評価、数字で国民の動向を探る…..そんな時代なんだと。
こういう動向調査は、操作しやすいです。その数字を信じる人がネズミ講式に増えていけば、それで人間を操れるのですから。

大気汚染を研究する大学教授だったムジンが、環境相に任命され、突然のテロによる大統領の死によって、大統領権限代行に就任させられた。野望のない政治色のない学者肌の人間だから安心だと計算して大統領は任命したのでしょう。それが……..

衝撃的な議事堂の爆発シーン、その状況を見て途方に暮れるムジン。そして自分に降りかかってきたとんでもない現実をスリリングに展開されていきましたが、その中で主人公であるムジンの姿は、なんか非常に人間的でした。とんでもないこんな国の中枢を爆破するテロ事件を題材にしてもなんか現実的に感ずることの恐ろしさを感じます。「ありえる話」になってしまったテロ。

このドラマは、「60日 指定生存者」というタイトルなんですよね。現職の大統領が死亡または辞職した時に政治が執行不能にならないように指定生存者制度という法律が韓国にはあるようですね。「60日間の大統領」のタイトルは納得します。

このテロはなぜ起きたとか?
このテロの背景は?背後に誰がいるのか?

北朝鮮の存在、それを疑うのは当たり前でしょう。韓米は戦争の準備をすべきだと主張する時に、北朝鮮の潜水艦が移動しているとの情報が…..
ムジン大統領権限代行は、彼の科学者としての立場と考え方から、その潜水艦は漂流しているから、こちらに打撃を与えるはずがないと訴えます。そしてその主張は正しかったのですが、そんな数字的な問題を考えるのは大統領の仕事ではないのです。人を上手く使って素早い判断をするのが政治家なのですよね。

ムジンは権力には興味がなく、今任された任務を遂行することが彼の60日間の使命だと考えていました。権力のトップに突然なってしまったムジン、国を守るため、家族や国民を守るために仕方なく指定生存者になってしまった彼ですが、ちょっといい大人なのに学者バカだけでは60日間は無理でしょう。もっと周りの政治を知っている方々の意見に従ったら….と苛立ちを感じました。

  • 誰が敵で誰が味方かわからない複雑な人間関係の中で自分を守りつつ成長していくムジン。
  • 命を落としてまで困難に立ち向かう人々の姿を見てしまうムジン。
  • テロの背後にいる人物の正体、そしてその人間模様を知るムジン。

今までは数字のエビデンスの世界から導かれた世界を見ていたムジンが、緊迫する政治の世界で、一瞬で変化する世界での選択をしなければならなかった姿を、その選択の中で成長していく姿が、とにかく魅力的でした。

  • 政治は、権力を握り、状況やその時の立場で動くもの。
  • 政治家にはどんなやり方でも勝たなくてはならない。
  • 政治を行うものは、一つを見ないで全体を見ること。
  • 危機をチャンスにできる政治家が勝つ。
  • 政治家の資質は、その時々に応じて表されるべきなのかと。
  • 政治家の正義感、誠実さは形が変わる。

政治家ってこんな資質を持っていないとなれないと思っていますが、ムジンに当てはまるのは?

一番、政治家に向かない男が大統領権限代行になり、一触触発の南北問題や爆発テロ事件を解決しなければならなくなったのです。その政治ドラマをスリリングでかつ予想を裏切る展開をも盛り込みドキドキさせながら楽しませるドラマになっています。
反面、どんな政治も人間が中心に行うものです。国同士の思惑だって人間の感情が入ります。国を守る気持ちは同じであっても、そこに行き着くまでの心模様は人それぞれです。
そんな複雑な人間関係も丁寧に描かれていて本当に素晴らしい作品になっていると思います。

リメイク作品でのこのクオリティーはやっぱり素晴らしい。
韓ドラって、リメイクしても、韓国らしさを十分に発揮させるテクニックが凄い。
その作品がリメイクかどうかわからない位に…..

一言だけ…….

シーズン2は、期待しません。ムジンは、政治家になって欲しくないから。こういう方が政治家に本当の政治家になれないと思うから。政治家って「補佐官」見ていると人間らしさのある人は、人間さを無くされてそのうちに屍になってしまうから。